ケントのブログ(ふわふわ)

技術メモ、アイドル、演劇、美術など分からないなりに

「IDOL DANCE!!!」でアイドルをより楽しく!

image

アイドルの振り付け師である竹中夏海氏がアイドルのダンスを「アイドルダンス」と定義し、振り付け師の視点でそのアイドルダンスを語る本「IDOL DANCE!!!」を読みました。 フリフリのドレスをきて左右のステップを踊るイメージのアイドル像から、制服風衣装を着てテンポの早い音楽に合わせてガンガンに踊るのにアイドルのイメージに変わってきました。 アイドルの数が史上最大と言われる今、そんなイメージは一部で、玉石混合でありとあらゆるアイドルがいます。握手会をしてファンとの距離を縮めたりは当たり前。チェンソー(本物ではない)持って客席にダイブしたりするアイドルまでいます。 最近僕はそんな広くて深くて面白いアイドルの世界に興味を持っていまして、「アイドルの振り付け師」というアイドルを凄く近くで見ている人の本に興味があって手に取りました。

こんな本

アイドルのダンスは色んなジャンルのダンスを要素として取り込みつつ、アイドルのダンスは「アイドルダンス」としての特徴を持っています。歌の世界観に合わせた振り付けがされていたり、分かりやすくキャッチーであったり、ファンが覚えやすいように考えられたり。特に最後の要素に関しては、著者の竹中氏がアイドルの振り付け師を目指しはじめた時の「気づき」でもあります。自分が振り付けたダンスをアイドルが踊る、アイドルが踊るのを見て何千ものファンが踊ることのすばらしさに気がついて竹中氏は振り付け師を目指すようになりました。

ダンスを中心として、衣装を振り付けに生かしたり、小道具で振り付けにアクセントをつけたり、フォーメーションについての考え方、身長差を生かした振り付けなどなど細かな部分にもクローズアップして語られています。著者自身がアイドル好きということもあって、振り付けをしたアイドル以外にも色んなアイドルのダンスが登場し、作り込まれた特徴が浮き彫りになります。そこにはPerfume東京女子流ハロプロにもちろんPASSPO☆の楽曲名が挙がっているので、Youtubeを見ながら読むと楽しめます。

ダンスからアイドルをより楽める

さらっと見ていたアイドルのダンスですが、この本を読むことでより楽しめるようになります。ダンス、フォーメーション、衣装、小道具。1曲数分間の中の情報量は膨大です。この本を読めば改めてそこに気づくことが出来るでしょう。これまで以上に何度も何度もその曲を味わうことが出来るようになります。そしてその情報に気づくには自分も一緒に踊ることが一番です。

ダンスはピッタリと揃うことが良いと思いがちですが、アイドルダンスではそうとは限りません。メンバーの個性を出すことも求められます。メンバーのキャラクターによって振り付けが変わることさえあります。 なのでメンバー毎に見ることでその曲をさらに味わえます。もっと言うと、ライブによってフリをアレンジさせてくることもあります。PVとライブで違うフリを付けている場合もあります。

ダンスの舞台ではその時のダンスはその時の為のもので、繰り返しするものではないそうです。アイドルダンスは繰り返し繰り返し踊りますが、ファンは飽きずに何度でも見に来ます。何度見ても飽きないのは1曲1曲に詰め込むアイドルと振り付け師による膨大な情報。そしてそれを感じ取り、気づくファンが居てのことなんでしょう。

まとめ

この本はアイドルを新しい視点で見れるようになる本です。アイドルファンが読むには大学の一般教養みたいな幅広くて、だけどどこでも通用する知見が得られます。一般の人が読むには、ちょっとひいた位置からアイドルの良さと見方を知れる概論のような本です。サラッとしてて、「案外いいかも!今度注意してみてみようか」と思える本です。

本書では、現役のアイドルPASSPO☆のメンバーやダンサーと著者のインタビュー記事があります。アイドルに近い人の(ていうかアイドル本人の)アイドルとダンスに対する考えが語られていて面白かったです。モー娘。を振り付けていた夏まゆみ氏やももクロの振り付けし石川ゆみ氏など他の振り付け師とのインタビュー記事とかもいつか読んでみたいです。アイドルとアイドルダンスを振り付け師の視点から語っていましたが、衣装さんやマネージャー、楽曲プロデューサーなどの視点からの本とかがあったらそれも読んでみたいなと思いました。

テレビでアイドルのダンスを見たことがある人は楽しめる本です。そして読んだあとはアイドルに(最低でもちょっとは)引き込まれる本です。

おすすめ度:★★★★☆(誰にでもオススメ!)

 

編集後記

書評って何を書けばいいのか難しい。読書感想文になっても嫌だし、たいした知識もないのに批評しちゃうのとか。よくわかんないけど、記録はしとこうと思って。だけどどうかこうってことで、ここ(正しい書評の書き方 - 差がつく読書/樋口裕一 - 段ボール箱の中身)のページを参考に今回は書いてみました。フレームワークがあるのってスムーズに物事を考えるのにいいよね!参考にさせていただきました。ありがとうございます。