ケントのブログ(ふわふわ)

技術メモ、アイドル、演劇、美術など分からないなりに

任天堂は日本のAppleだ!

日本よりも海外で評価の高い任天堂。それはゲームのおもしろさだけでなく大ヒットを生む会社経営という点においてもである。

2008年のTIME誌上で「世界で最も影響力がある100人」に選ばれる宮本氏を筆頭に任天堂を大きな収益を生む会社に延ばした岩田社長、予言ともいわれるそのひと言を生むカリスマ先代社長山内氏、任天堂をゲーム会社として踏み出す大きなきっかけを生んだ横井(軍平)氏(後にリスペクトとしてワンダースワン用ソフトグンペイの名前に使用される)。

強力な人物のこだわりと独特な社風によって任天堂の名前は現代の形となった。

高画質高音質大容量のハイスペックを追うゲーム機の開発競争に待ったをかけ、枯れた技術といわれるローテクノロジーを使って作られたWiiで大成功を今もしている。この「枯れた」技術を使うのは今に始まったことではない。

ゲーム機本体を開発し、その上で動くゲームそのものも開発する任天堂。目的はゲーム機を売ることでもソフトを売ることでもなく「ゲームを楽しんでもらうこと」。

ゲーム離れが著しい近年の状況に危機感を覚えた岩田社長は「お母さんに嫌われない」ことを掲げて次世代ハード(Wii)を開発する。その結果小さくコンパクトで邪魔にならない。コントローラーもワイヤレスにしてスッキリ。そんな仕様に固まった。

さらには家族みんなで使ってもらおうとWiiチャンネルを載せてみたりと、ゲームを楽しんでもらう為に手段を選ばない。副次的なものが生まれているが、あくまで「ゲームを楽しんでもらうこと」を目的として取り組まれたものだ。本書には書かれてはいないが本体の色が白いのも家に溶け込むようにするためなんでしょう。

笑顔のためなら完成直前でもやり直しをする宮本氏による「ちゃぶ台返し」は名物のようなもののようで、海外法人では「return tea table」と呼ばれているそう。普通ならば士気が落ちそうなものではあるが、そうではなくあそこで止めてくれてよかったと感謝するほどらしい。そこにはちゃんと理由があるからで、それをしっかり示し部下も納得できる形であるため理不尽なちゃぶ台返しではない。(理不尽なのがちゃぶ台返しのようなきもするが・・・)

読んでいるうちにスティーズジョブスとAppleを思い出した。共通点は多い。

とことん製品を考え込んで、妥協は一切なし。やり直しもなんのその。必要とあらばあっちからこっちに部署を越えて技術と人を移動させたりもやってのける。大きなプラットフォームを用意しそこで別会社が販売するソフトからお金をいただく。

そう思っていたら途中でAppleとの比較も出て来ている。Apple側も意識をしていないこともないみたい。

細かくは本書を読んでいただくとして、2009年の本だけど色あせず興味深く読めます。

日本のビジネスマンや学生はAppleのスタイルを学ぼうと関連記事や本を読んでいると思います。日本の外ばかりじゃなく中もそれに値する会社が任天堂がありますよ〜!

そういうことでだいぶオススメです。Apple任天堂から共通する部分、異なる部分を参考にするのが一番いいんじゃないかしら。

最近でもDSもWii3DSWiiUなどを出して、マイナーバージョンアップをしています。

個人的にはWiiやDSを越える次世代ゲーム機は不可能に近いんじゃないかなと思うほど完璧に近いものなのではと思いますが、任天堂は常に次の可能性を模索しています。ほぼ確実に次のハードは開発中でしょう。
次の一手はなにか。完璧に近いほど次が難しい。だからこそ期待する。

今こそ日本を代表する任天堂に注目するのもいいんじゃないでしょうか。

 

おすすめ度:★★★★☆(誰にでもオススメ!)

気持ちとしては「Appleはアメリカの任天堂だ!」って書いてもありかなと。