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ケントのブログ(ふわふわ)

技術メモ、アイドル、演劇、美術など分からないなりに

彩の国シェイクスピア・シリーズ第28弾『ヴェニスの商人』観て来たよ。

そもそも演劇鑑賞おすすめ

ここ数年ちょいちょいと観劇することにはまっててます。 そもそも学生による学生の為の演劇くらいしか見たことがなくて、こう面白いものだということを知りませんでした。誰か「演劇って面白いよー」って言ってくれればよかったのに~^^

テレビで見ている俳優さんがドラマとかで忙しそうなのに舞台に立ってたりしてる。テレビで最近見ないなと思ってたら舞台で活躍されてて、実はこのひと凄いじゃん!って思ったりする。テレビで見たことない人なのに舞台で凄い演技や面白いアドリブとかをかまして、このひと凄いやんけ!って思ったりする。 イケメン・イケジョをテレビドラマで見て好きになるのと違って実力を見せつけられて魅了されるひと多いだろうな~。

映画だといつ見ても同じクオリティを提供してくれます。シーンも丁寧に作り込んでいたりします。一方演劇は、いつ見ても違うものが提供されます。日によっていい演技、悪い演技あるでしょうが、記録に残らないライブ感というものはよくて、「あのシーンよかったな~もう一度見たいな~けど見れない!」というのもいいものです。見終わった後にもう見れないあのシーンについて話したりしてね。 今台詞を言っているひとじゃないひとが気になればその人の演技を見ていてもいいんです。ひいきにしている俳優さんばかり見ててもいい。台本が同じでも演出家や俳優の解釈が変わって出すものが変わればまた違うものができるみたい。アニメとかドラマ、映画でもそうですが演出や監督が違えば全然違うものができるらしい。そういう経験なかったからそんなに責任あって色に影響をあたえるもんなのか~とその役割について認識が改まりました。 まだまだ観劇経験が浅いので経験ありませんが、別の劇団が同じ演目をするのを見比べたりして楽しむこともあるみたいです。

先輩演劇ファンのひとからしたら何を当たり前のことを!という感じでしょうがね。案外知らないで損しているひと多いと思いますので言ってみました。

初っぱな脱線しました。

普通に生活していたらなかなか劇を見る機会なんてないので、能動的に「なんか興味があるやつがないのかしーら」と行動しないと見れることはありません。何をフックに選べばいいんでしょう。小さい所でも入場時に大量のビラを貰います。今回行ったような人気の舞台では公式パンフレットよりも厚いビラの束を貰いました(サークルの日よりも多いな絶対(分かるひとだけ分かればいい))。人気の俳優は色んな所に出てるし、演目で選ぼうにも情報が結構しぼられてて分からない。

じゃあ何を見るのか!?

今でしょ!(すみません)

とまあ、案外何を見るのかって難しかったりします。けどまあどうしても気になるのはシュエークスピアです。見たことなくてもロミオとジュリエットやらハムレットやら名前は知ってますよね。やっぱ見ておくべきだなーということで機会を伺っていました。そしてタイミングよく行くことが出来ました「ヴェニスの商人」に。

ヴェニスの商人見て来たよ!(本題のレポート)

ここまで長かったね。すみません。

引用してまいりました、ヴェニスの商人のあらすじです。

あらすじ  舞台は貿易都市ヴェニス。ある日、貿易商を営む裕福な紳士アントーニオのもとに、年下の親友バサーニオが借金の申込にやってくる。彼は才色兼備で大富豪の令嬢であるポーシャにプロポーズをしようとしており、そのための元手をアントーニオに頼ってきたのだ。生憎と全財産が海を渡る船の上にあったアントーニオは、自らを保証人として借金をするよう、バサーニオに勧める。ところがバサーニオが借金を申し込んだのは、よりによってアントーニオの天敵とも言うべき、高利貸のシャイロックだった――。彩の国さいたま芸術劇場/彩の国シェイクスピア・シリーズ第28弾『ヴェニスの商人』より

演出/監修は蜷川幸雄さん。僕が知っていた俳優は、市川猿之助さんと高橋克実さん。

日本で初めてシェークスピアが演じられたのがこのヴェニスの商人で、演じたのが歌舞伎役者だったそうな。その縁もあってか市川猿之助さんがキャスティングなのかな。実際に舞台で歌舞伎っぽいしゃべり方をしたり見栄を切ったりしていて観客から拍手を浴びていました。歌舞伎ファン多かったのかな~。だけど案外雰囲気を壊れてないんですよね、不思議。前から興味のあった歌舞伎にもより興味湧きました。

トリビアの泉で個性派ぶりを披露していた高橋克実さんがイケメンなのね。顔はかわらないですよ。立ち振る舞いとか声がね!個人的には今回のお目当ては高橋さんでした。かっけかったー。

そして今回は全員男性で演じるオールメールという形式の舞台(そんなんあるんですね〜)。女性役も男性がやっていて恋人同士だとぶちゅーっとするシーンなんかあって、女性客が思わず「きゃー」っと漏らしていたりしてました(中身はおっさん男優と若い男優w)。それでも違和感なく観劇に集中できたのは、演技力のたまものなんでしょうかね。 中身が男ゆえに笑えるセリフがあったりして面白かったです。

感想

世界から愛されるシェークスピア(1564年生)とはいかがなものかというので見にいきましたが、これが日本の戦国時代の頃に作られて今でも演じられていることを考えるとすごい。

  • 作り手の時代と見る時代が違えど、ひとの考えて感じることは変わらないんだなという不思議。当たり前って言われるかもしれないけどそう思います。

  • 垣間みる時代背景が歴史や宗教の勉強になって興味深い。時代描写のタイムカプセルの役割もしてるんだろうな。宗教とか歴史とかもっと知りたい!

  • 笑いどころの作り方や伏線を回収したりは現代のストーリーものと変わらずすでに完成されていたんだなと実感。「シュエークスピアは現代で使われる話の展開の仕方やテクニックをすでに発明していた〜」的な話を聞いていたが、まさにそうなんだろうな。「演劇界の巨人」ですよまさに。現代の後発組のひとらはシェークスピアの完成したストーリー展開から逃れるために苦心しているんじゃないでしょうか。逆に乗った方が作りやすいし、客にも受け入れやすいでしょうね。

  • 噂に聞く蜷川演出とゆーのはどんなもんなのかと言われたらよくわからなかったw比較対象がないと素人目にはわからないのかもしれません。セリフは聞いたところによると98%くらい原作を踏襲しているみたい。原作リスペクトというのかな。変えずに自分の色を出すというのがポリシーなのかな。また別のヴェニスの商人を観てみたいです。

[ひっかかった所]ユダヤ人はそんなに嫌われ者なのか(ネタバレ?)

ユダヤ人高利貸しのシャイロックは、圧倒的な悪として描かれていた。ユダヤ人は世界からの嫌われ者だった時代があったが、ただただ「シャイロック」が悪者だっただけなのか?娘にも愛想つかされているしね。それとも「ユダヤ人」を悪者として描こうとしたのか?どっちか分からなかった。前者ならばいいんだけど後者なら笑えないなー。

物語の最後にはシャイロックは罰を受けることになって、勝ち組のキリスト教徒から笑い者にされる。その罰にはシャイロックユダヤ教からキリスト教に改宗せよという命令も含まれていて、観客も悪者のシャイロックをざまーみろと笑うが、僕にはそれは笑えなかったなー。

  • キリスト教国なら社会的にユダヤ人を笑うのかもしれないが、日本人はそうじゃないだろう。
  • 罰として改宗が命じられたが、そんなので信仰できるものか(反語)。
  • これって現役ユダヤ人は面白くないだろうなと考えると本当は西欧世界で愛されているシェークスピア作品なんだろうな。実際はそんなもんでしょうな。

個人的に救われたのがこの悪者シャイロックが主人公だったっていうことw最後のカーテンコールまでしりませんでした。彼の悲劇を描こうという作品だったのかな?この作品は実際喜劇らしいんだけど・・・。

もうひとつ救われたなというのがあって、シャイロックが笑い者にされているとき、敵対していたアントーニオは笑っていなかったこと。ひとが悲しむことを笑わない紳士!大人!かっこいい!と思ったけど、そういや昔話でシャイロックに対してアントーニオは見下して犬呼ばわりしたり、つばを吐いたこともあったって言ってたな。んーちょっとつじつまあってないかw本当は最後アントーニオは高笑いしていないとダメだったのかな。

↑を書いた上で調べてみた

自分の感想を書いた後に、他ではどう受け取られているのか調べてみた。

うーむやはり、ユダヤ人差別じゃないのか!っていう受け取られ方はあるみたい。だけどそこまで過激に考えず、悪さはシャイロック個人の性格によるものだとか、時代劇だからそう言う時代もあったで済まそうという感じみたい。確かにそれがいいかも。

シャイロックに関する論議

概要で見たように印象的な台詞があり、またその役割にいささか喜劇とそぐわない側面がある点から、シャイロックには、他の登場人物にはない存在感と深みが感じ取れるのは確かで、彼を特別視しようとする論が少なくない。その極論が、「シェークスピアは『ヴェニスの商人』で、当時のユダヤ人差別を批判したのだ」というものであるが、そこまで行かなくとも、シャイロックを偉大な悲劇的人物と見る意見は多い。 福田恒存はそのような見方に対し、「ヴェニスの商人」が書かれ上演された時代背景を考慮せず、現代の視点から一方的に見た拡大解釈であるとしている。実際、シャイロックの立場は、善と慈悲の象徴であるアントーニオを陥れようと法の厳格な執行を望み、逆に自分が法の執行を受けて破滅する、明らかに喜劇的なものであり、シェークスピアも彼をそのような役回りに描いているのである。 それでも、後世の人々がシャイロックに近代的な複雑な性格を見出したのは事実であり、悪役を単なる悪役に終わらせないシェークスピアの人物造形の力が、はるかに時代に先んじた優れたものであった証と言える。ヴェニスの商人 - Wikipediaより

ちょっと長めにWikipediaからですが、ここの解説なんか納得できる。 悲劇的とも取れるし、やはり喜劇なんだとも言える。どっちにせよただの悪役ではない人物に描かれているシェークスピアすげー!ってのが要約ですが、確かにそうかも。

  • これって現役ユダヤ人は面白くないだろうなと考えると本当は西欧世界で愛されているシェークスピア作品なんだろうな。実際はそんなもんでしょうな。

さっき言ってた↑これは、西欧社会でもそうとは言えないみたい。特にインテリ層は、こころよいものとしては素直に受け入れられていないみたい。差別発言しているのを見られると咎められるので、意識的にそうしないようにしているんでしょうし、アジア人も発言力を増していて必ずしもキリスト教徒側の視点に立つわけではないから手放しに大絶賛というわけではないみたい。

時代ですね。作られた時代の客は明らかにキリスト教徒だったから完全に喜劇だったんでしょう。そして現代になると受け取られ方が変わるというのは面白い。

そうなると他の日本人の観客は比較的笑ってたけど、どうなんだろう。笑いどころは笑っててもいいけど、僕が真顔だったところは同じ風に真顔で受け取ってたのかな(゜-゜)十字架をコミカルにシャイロックにかけたときは、コミカルタッチに引っ張られてみんな笑ってたけど、笑いどころとは思えかったな~。「まわりまわってやっぱり喜劇だよ」というとらえ方もあるみたいだし、そっちの解釈で観てたのかな~。ん~まさに客席は闇の中。

おもしろかったー!ってのもいいけど、こういう風に考えさせてくれるってことも作品の評価のポイントだったりしますよね。

市川猿之助さんも憎く悲劇的に見えるように演技されてたみたい。後半になるにつれて悲劇的に、他の演者はよく笑って相対的により悲劇的に見えるようにしてたっぽい。シャイロックのみじめさが引き立つようにね。まさに演技のテクニック!

この一筋縄出ない感じ。見終わった時は比較的あっさり感が先行してたけど、こうしてブログに書いたり話したりして議論して、調べてみるとなかなかこってりした面白い作品でした。

こうなると他のシェークスピア作品はどうなんでしょう。気になるな~。

ちょっと前の映画のレミゼラブルも中々ヒットだったし、SFの古典と言われる星を継ぐものも面白かったし、やっぱり古典って残ってるだけあっておもしろいんだな!

ちなみにディズニーシーのお土産屋さんにヴェニスの商人をテーマにしたところがあるらしい。まあお土産屋さんだからそんな大したことしてないだろうけど、今度行ったとき見てみよう〜。海底二万里も抑えてるしみんなが思っても見ない方向にもネタが満載なんだなディズニーランドは!すげえ。

おすすめ度:★★★★☆(誰にでもオススメ!)

彩の国さいたま芸術劇場/彩の国シェイクスピア・シリーズ第28弾『ヴェニスの商人』

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