絵画鑑賞の楽しみかたが分からないなら【乙女の絵画案内】
「乙女の絵画案内」という本を読みました〜。
手に取った動機は、最近絵画鑑賞から遠のいてしまっていたのと、
アイドルが美術を取り上げて本を書いたっていう興味本位からです。
この本の著者はハロプロのスマイレージ所属の和田彩花さんです。
正直存じ上げませんが、これを機に和田さんを知るというのも良い事だと思います。
この本は絵画や芸術の楽しみ方が分からない人こそ読むべき本です。
僭越ながらタイトルをつけ直すならば「絵画鑑賞案内 乙女の視点篇」。
絵画の楽しみ方のお手本
絵画鑑賞している人の頭の中を再現した本で、
絵画に面白みを感じない方は
「へぇ〜、絵画鑑賞を楽しんでいる人はこういう見方をしてるんだ」と
お手本になる本です。
和田さんは今では大学で美術史を専攻しているようですが、
絵画に興味を持ち始めたきっかけは、誰もが同じです。
和田さんはマネの「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」の
黒なのに存在感のある黒の使い方に興味を持ち、
同じくマネの「鉄道」でかわいい!と感激し、
「かわいい」をキーワードに女性視点で他の作品へ興味を広げていきました。
きっかけになるはじめのひとつを気に入って、
そこから派生して他方に興味が広がっていきます。
広がり方はひとそれぞれ。ひっかかり方もひとそれぞれ。
美術鑑賞仲間がいない僕には、 他人の興味の持ち方を垣間みれて大変面白かった。
美術への興味のきっかけ 僕の場合・・・
僕の美術への興味のきっかけは、京都 龍安寺の石庭です。
龍安寺の石庭は、「庭の石を全部同時には見れない」ことで有名です。
そのことで思い出す方もいるでしょう。
石庭を知った僕の原点の本↓
この本を京都に行く前に読めば絶対京都を楽しめます。
圧倒的にオススメ!
京都に行く友人には必ずすすめてます!
他にも秘密があって、実は塀の高さが左右で違うんですよね。
一方から見ると塀が奥に向かって低くなっている。
そのことで実際の庭よりも広く感じるんです。
庭を広く見せる理由は狭い中に大自然を閉じ込めるためです。昔の贅沢です。
そしてこの手法はみなさんご存知の遠近法です。
そしてのそして、この石庭は西洋で遠近法が発見される前に作られているんです!
この事実を知って「日本すげえ!」ってなって心が鷲掴みされました。(発見される前ってのはウソかも。。。記憶違いかな)
遠近法は使われていないですが、 日本庭園は大きな自然を小さな場所に閉じ込めるように作られています。 枯山水庭園では砂利で川を表現していますし、 コケに注目すれば杉苔という杉に似ているコケを使って杉の森をミニチュアで再現しています。
空を飛びながら大自然を眺めている気分にさせるのが日本庭園なんです。
美術って感覚的に感じるものではあるんですが、その為の仕掛けがあるんですよね。
それに気がついてから、日本美術から西洋美術にまで興味が広がっていきました。
(現代美術はいまいち苦手ではあるんですがね)
と、脱線しましたが、
「かわいい」を起点にして興味を持ったり、
「実はこんな仕掛けがある」という所に興味をもったり、
面白く感じる箇所は人それぞれです。
画家の背景を知り、産みの苦労を知り妄想しながら鑑賞する。
これは楽しいですが、頭でっかちにならないとだめなのでちょっと大変。
一回美術館に行ってお気に入りを1つ見つけられれば大成功!
気になるひとつから美術ライフがはじまります。
美術鑑賞に正解はありません。
この本をひとつの鑑賞方法の例として参考になるでしょう。
今回の収穫
今回僕はモネの「ラ・ジャポネーズ」とアングルの「泉」に興味を持ちました。
日本美術が影響を与えたもので有名なのにゴッホの「タンギーじいさん」というのがありますよね。
他にもモネにも影響を与えていて、
見返り美人を参考にしていそうな「ラ・ジャポネーズ」という作品があるのを初めて知りました。
日本の鮮やかな着物を着て楽しそうにしている姿は、
今も昔も浅草で着物を着てはしゃいでる外国人と同じだな〜
と日本人として嬉しく思います。
それとアングルの「泉」ね。
これリアルすぎ!彫刻の写真かよ!
他の絵もそうなのかな。凄く気になります。要チェックやー!
なんだか僕の話ばっかりになっちゃいましたね〜。
おすすめ度:★★★☆☆(個人的には凄く良かった!けどみんな好きかはちょっとわかんない。)