ケントのブログ(ふわふわ)

技術メモ、アイドル、演劇、美術など分からないなりに

想像してなかった「アラビアンナイト」

ディズニー映画の中で好きなタイトルにアラジンがあります。 漫画で半端に揃ってるマギも好きです。

西洋人が日本に感じるオリエンタリズムみたいなのを僕はアラビア及びアラビアンナイトに感じているんだと思います。

ディズニーシーでアラビアンナイトに乗ったけど、そういやこれらの話分からないなと。 シンドバッドとか開けゴマとか同じ話?別の話?よく分からない!

なのでこの本を読んでみました。

種を明かすと「アラジンと魔法のランプ」とか「シンドバットの大冒険」とかがアラビアンナイト(=千夜一夜物語)に収録されているんです。

そんでこれは原作でなくアラビアンナイトとはなんぞやっていう解説本です。

先にこれを読んで正解でした。 どう言う風にアラビアンナイトが成ったかが分かるんですが、 この案内をなしに読んでもきっと原作をしっかりと味わえなかったんじゃないかな。 と言ってもまだ原作は読んでない。

アラビアンナイトってどんな本?

アラビアンナイト女性が夜な夜な王様に面白い話を聞かせるという枠物語があって、 「アラジンと魔法のランプ」だとか「空飛ぶ魔法の絨毯」「アリババ」のっていう話はその話のひとつ。

元はアラビア世界の話だったんだけども、フランス人のガランに発見されヨーロッパで流行。 人気が出て他の話が読みたいと求められ、新たに発見したり創作されたりで話が沢山追加されて今に至る。 昔は200何十話程度だったんだけど、1000近くあったりなかったり。 代表的な4人の翻訳者がいて、様々なものがあるのでどれが厳密に原作とも言えない。どれも正解とも言える。

ヨーロッパ人から見たアラビア世界なので、厳密なアラビア世界を描いたものとは言いがたい。 アラブ人的にはそんなに認められたものではなかったものの、ベイマックスで日本を描いてくれたように、 「外から見たウチラの世界だけど、話としては面白いしありじゃない?外国で人気あるみたいだし!」的なノリで。最近ではアラビア世界でも「あり認定」されているそうな(多分)。もしかしたら観光に利用しようぜ!とかあるのかな?

ニーハオ!ジーニーって中国人だった?

アラビアンナイトイスラム教世界の物語で、その当時中国西部にイスラム教が至ってたので、そこもアラブ世界の東の端と認識されていました。 そして僕らとしてはバリバリのアラビア半島らへんの話だと思ってた「アラジンと魔法のランプ」の話。 実はその中国西部域の話だったんだって! アラブ世界の話を寄せ集めてるからそんなことも起こっちゃう!

どれだけ僕らがイメージだけでアラビアンナイトを見ていたのかって話ですね。 当然作る側も「理想のアラビアンナイトの世界」を思い浮かべながら描いたから、それを読んだ僕らがそうなるのは仕方ないんですが。

はじめはアラビアンナイトをかいつまんでストーリーを知れればいいなと思って手に取りました。 中を見るとどうやらそういう話じゃなく、解説がつらつらと書かれてる。。。 期待していた内容ではなかったけど、アラビアンナイトを知るにはこれでよかった!いや、これがよかった!

後世の人が都合よくいじったと言えば聞こえは悪いけど、 人類で引き継いで紡ぎ上げたひとつの遺産と考えれば、すごく特異な存在で面白い成り立ちの本だと思います。

サクッと読めるのでこれを読んで、 拾遺話集をつまみ読みするのがオススメです。僕もそうしたいと思いますw

おすすめ度:★★★★☆(誰にでもオススメ!)