ケントのブログ(ふわふわ)

技術メモ、アイドル、演劇、美術など分からないなりに

狂言 is コント!!~はじめて観た狂言は想像と違った~

はじめての狂言

一度狂言を見てみたいと思ってましてこのたびその夢が叶いました。

比較的うちに近い場所に野村萬斎さんがいらして狂言を披露される会があるというのを見かけてすかさずチケットを予約!

行ったのは5/7の「野村萬斎 狂言の夕べ 船橋公演」。 狂言の夕べは演目の前に狂言の解説をしてくれるシリーズらしく、初心者の僕にはピッタリでした。

演目は「舟渡聟(ふなわたしむこ)」と「蝸牛(かたつむり)」の2つです。

18:30開演で30分ほど2演目の解説。 その足で舟渡聟を上演し、15分休憩を挟んで蝸牛を上演し終了。 両演目ともに30分ほどでした。

解説のメモ

  • 能舞台の背後には松の木(の絵)。松には神が宿ると考えられていた。松に向かって上演していたが今は背負って上演している。
  • サブの部分の3つの松は遠近法のために右から左にかけて低くなる。(舞台は右から中央にかけてメインの部分と、左側にメインへ通じるサブの部分がある。)
  • 演者が座って止まるが、そのシーンには居ないことを示している。いるけどいない。
  • 「このあたりのものでござる」というフレーズは狂言でよく使われる常套文句である。(他にもありそう)

(メインとかサブとかっていうのは僕が勝手に書いて呼んでるだけです。あしからず)

以上のような知識を野村萬斎さん自らが解説。あとは資料にもあるのですが、後に上演される2演目のストーリー概要と言葉の解説が冗談を交えながら行われました。

所感

舞台を半周したら結構な距離を歩いていたことになっていたりします。 「こちらの意図を汲んでください」で成り立っている演劇ですね。 (「ああ、もうついた」とか言ってますw)

大道具なんてろくになく、船を表現するのに櫓一本。ってか櫓もただの細い棒です。 セットチェンジとかないので、はじめるのに一番お金がかからなそうな伝統文化かもしれません。

独特の言い回しのせいもあって、ちょこちょこ何を言ってるのかわからない部分もありましたが ストーリーと言葉の解説があらかじめあったおかげで楽しめました。

独特の動きと言い回しは、日本の古典芸能を楽しむためにはハードルが高い部分に見えますが、 その動きの中で急にひょうきんな動きと言葉遣いが現れるのですごく面白いです。NHK教育野村萬斎さんのやってたのは誇張でも何でもなかったんですね。 みんな集中してまじめくさった言葉遣いとかに見入ってるところで、調子の外れた言い回しが現れるのでその緩急で笑えるのかもしれません。会場では普通にみんな笑い声たててました。

蝸牛なんて最後歌いながらの踊りながらでゴリ押しですからねw完全にリズムネタですよ! 演者が舞台からはけたのはラッスンゴレライと全く同じでしたw 歌いながら踊りながら舞台袖へはけて行きますからw

言葉は悪いですがいい意味でバカバカしい笑いでしたよwしょうもないといいますか…w そういう意味では今の我々と昔の人の笑いのツボは同じってことですよね。 変わらない昔の人に対して親近感でてきました。

1~2年前くらいに狂言はドリフである」って解説している番組を見て興味を持ちましたが、まさにそれでした。

チケットは5000円。どこでも見れるわけではないですし、いつでも解説があるとも限りませんので、身近な存在とはいかないとは思いますが、こういう面白いものが昔からあるんだなってことは知っててもいいと思います。

おばあちゃん、おじいちゃんだけが知ってるなんてもったいないですよ。

おまけ

別の方達が演じてるものですが同じ蝸牛です。

野村萬斎さんの場合は、「でんんでんむっ↑しぃ↑むっしぃぃ〜↑↑↑」って感じでもう少し高い調子でした。